大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和26(れ)1670 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人青柳孝及び弁護人佐藤久四郎の各上告趣意は末尾に添附した別紙の通りで

ある。

弁護人青柳孝の上告趣意第一点について。

原判決は迅速な裁判でないという理由だけで破棄差戻をすれば裁判の進行は更に

一層阻害されて憲法の保障はいよいよ裏切られる矛盾を生ずる、それ故裁判が迅速

を欠き憲法第三七条一項に違反したとしてもそれだけでは判決に影響を及ぼさない

こと明らかであるから論旨は採用できない。(昭和二三年(れ)第一〇七一号同年

一二月二二日大法廷判決)

同第二点、第三点について。

論旨は刑訴第四〇五条所定の理由に該当しないから上告適法の理由とならないし、

また同法第四一一条を適用すべきものとは認められない。

弁護人佐藤久四郎の上告趣意第一点について。

原判決は旧刑事訴訟事件の控訴審及び上告審における審判の特例に関する規則第

六条に則つたものであるから所論の如き違法はなく論旨は上告適法の理由とならな

い。

同第二点について。

原判決は旧刑事訴訟事件の控訴審及び上告審における審判の特例第六条に則つた

ものであるから所論のように証拠の挙示を怠つたことには当らないし、判決をした

裁判所の公判廷における被告人の自白は憲法第三八条三項刑訴応急措置法第一〇条

三項に所謂自白に該当しないことは当裁判所判例の示すところであるから論旨は採

用できない。(昭和二三年(れ)第一六八号同年七月二九日大法廷判決)。

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同第三点について。

記録を調べて見るに所論経験則違反があることは認められない。従つて所論違憲

の主張はその前提を欠き採用できない。

以上は弁護人佐藤久四郎の上告趣意第二点に対する裁判官井上登の反対意見を除

き裁判官全員一致の意見である、そして井上裁判官の反対意見は前記大法廷判決に

ついての同裁判官の反対意見の通りである。

よつて刑訴施行法第三条の二、刑訴法第四〇八条により主文の通り判決する。

昭和二六年一二月四日

最高裁判所第三小法廷

裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判長裁判官長谷川太一郎は退官につき署名捺印することができない。

裁判官 井 上 登

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